3人子連れ(8歳、4歳、1歳)のチャーチル旅行記、チャーチル4日目です。早いもので旅も終盤、夜にはウィニペグへ戻り、帰路に着きます。
この日はベルーガに並ぶチャーチルの主役、シロクマを探しに行きます。
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バギーに乗ってツンドラの大地へ
ツンドラバギーとは
8月10日、今日はチャーチルの周囲に広がるツンドラ地帯をツンドラバギーに乗ってシロクマ探しです。
ツンドラ地帯には、もちろん舗装された道路はありません。そこで、未舗装の悪路でも走れる車(バギー)に乗って回ります。写真のように、バスのような形で観察デッキが後ろについています。シロクマのオスは、立ち上がると3mにもなります。バギーもそれに合わせてとても大きく、頑丈な作りです。
シロクマシーズン中は、このバギーを宿泊用に改造したものに寝泊まりするツアーもあるそうです。
このツンドラバギー、10〜11月のシロクマシーズンは大活躍で、チャーチルにいくつかあるツアー会社のバギー全てが毎日満席になるのだそうです。それだけシロクマウォッチングツアーは大人気です。ツアー中、最前列の特等席や窓際の席は譲り合って使うことになります。
私たちのツアーでは、ガイド兼運転手さんと、同行のカナダ人ご家族3人、そして我が家と、合計9人で50人は乗れそうなバギーを使います。もちろん席は選び放題。
こちらがツアーマップ。今日はメイントレイルMain Trailを通ってポーラーベアポイントPolar Bear Pointを目指します。
ツンドラバギーの乗り心地
バギーは写真のような悪路を進みます。
ところどころ水たまりがあり、大きなタイヤで超えていきます。スピードは出ませんが、かなり上下に揺れます。
最初は遊園地のアトラクション気分ですが、乗り物に酔いやすい娘は、だんだんと気分が悪くなってしまいました。慌てて酔い止めを飲ませると、少し良くなったとのことで、安心。
ツンドラバギーでのツアーは6〜8時間かかるので、念のため酔い止めがあるといいです。ツアー中はバギーからは降りられず、酔ってしまった時はバギーを止めてもらいデッキで外の空気を吸うくらいしかできません。
長時間のツアーなので、バギーにはトイレが付いています。簡易ですが、少人数のためか綺麗でニオイも気になりませんでした。
ツンドラバギーから見た動物
人工物の全くないツンドラの平原を進みながら、ガイドさんと乗客が総出で動物を探します。何か見つけたら、大声で知らせバギーを止めてもらいます。
この日はあいにくの霧。視界が利かず、動物を探すのはなかなか大変です。
まずガイドさんが見つけたのは、白鳥一家です。道から離れた湖を泳いでいます。言われるまで、私は全く気が付きませんでした。肉眼だと白い点にしか見えません。ガイドさんの視力に驚きです。
写真は40倍ズームで撮っています。見えにくいですが、灰色のヒナを連れています。
お次はカナダ人お父さんがカリブーCaribouを見つけました。別名トナカイ、サンタさんのソリを引く鹿です。
こちらも子連れです。極北の短い夏は、動物たちにとっては子育てに忙しい季節です。
カリブーは大きくて見つけやすく、この後も何度か見ることができました。しまいには「カリブーだからいいよね」と素通りされていました。
このカナダ人お父さん、実は動物を見つけるのがとても上手で、ガイドさんより早く発見することもしばしばでした。
このあともホッキョクギツネArctic Foxを見つけたりと、大活躍でした。(私たちは確認できず、残念)
メインはバードウオッチング?
広大な大地にいる動物を目視で探すのは簡単ではありません。何も見えない時間の方が長く、子供達は退屈し、おやつに夢中になったり、居眠りしたり。
そんな中、鳥たちはわりとコンスタントに出てきてくれました。
こちらは、カナダヅルSandhill Craneです。北米に広く分布する鶴で、私たちには珍しかったのですが、カナダ人ご家族は、イマイチ反応せず。それほど珍しくない種かもしれません。
さらに、岩に止まる白頭鷲Bold Eagle、アメリカの国鳥です。遠くからでもわかる凛々しさです。
こちらは幼鳥。若い個体は頭がまだ白くありません。
雁の仲間、ハクガンSnow Gooseです。遠目にはアヒルのように見えます。
ついにシロクマ登場!
朝からバギーに揺られて早3時間が経過。そろそろお昼の時間です。ガイドさんの提案で、ランチはきれいな花畑で食べることに。
花畑に向かうバギーの中、例のカナダ人お父さんが
「シロクマだ!」
俄然車内が沸き立ちます。
霧の中にかすかに動く白い点がふたつ、確かに見えます。これでシロクマを見つけられるなんて、このお父さん、本当にすごいです。ガイドさんが一緒に働かないかとスカウトしていました(笑)。
今回会えたのは、お母さんと去年生まれた子供でした。子グマは2〜3年、母グマと暮らします。
シロクマは、バギーに気づいているのか、背を向けて歩き出しました。なるべくストレスを与えないよう、充分な距離をとって追いかけます。
写真は、ヤナギランという赤紫色の花の中を歩くシロクマです。この辺りでランチの予定でしたが、シロクマを追跡します。
ガイドさん曰く、この花とシロクマは、動物写真家がこぞって撮りたがる組み合わせだそう。確かにとってもフォトジェニック!霧だけが憎らしい…。
そのうち、シロクマは海岸に出ました。この辺りは幸いにも霧が晴れて、シロクマの姿がはっきり見えるようになりました。
しばらく海岸を歩いたあと、親子は海を泳いでいき、見えなくなりました。
シロクマを観察できたのは、約20分間。野生のシロクマは神々しく、本当に夢のような時間でした。見えなくなったあとも、みんなしばらく放心状態でした。
地球温暖化により、海の凍結期間が短くなるなど、シロクマの生息環境がどんどん悪くなっています。子供たちが大人になる頃も変わらずシロクマが見られるようにするにはどうしたらいいか、考えながら、帰路につきました。
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