動物好きの子連れ旅行記

野生動物観察をテーマに、子連れで旅行した記録です。

子連れキングストン旅行①〜冬のカナダでシロフクロウを見る

ハリーポッターのペット、ヘドウィグとして知られるシロフクロウ。真っ白な羽はバードウォッチャーの憧れの的です。

カナダのオンタリオ州南部には、毎年冬になるとシロフクロウがやってきて、ウォッチングツアーが組まれるほど。

我が家もこの冬、シロフクロウに会いに行ってきました。

オンタリオ湖畔でシロフクロウを見よう 

シロフクロウ(英名Snowy Owl)は、夏は北極圏のツンドラ地帯で過ごし、冬になると一部の個体がカナダ南部へやってきます。

地面に座るシロフクロウ

餌になる水鳥が豊富なため、アメリカとカナダにまたがるオンタリオ湖周辺には毎年決まって飛来している場所があり、フクロウ目当てを見にバードウォッチャーが集まっています。

シロフクロウがよく見られる場所は、オンタリオ湖東側に浮かぶアマースト島とウォルフ島。我が家もふたつの島に、フクロウを探しに出かけました。

アマースト

アマースト島は、オンタリオ湖の北岸約3kmに浮かぶ島です。カナダ東部の大都市トロントから車で東に約2時間半にある、ミルヘイブンMillhavenという町からフェリーでアクセスできます。 

冬は湖が凍り、フェリーは氷をかき分けて進みます。1日に何度も往復するフェリーで氷が砕かれ、船の通り道ができていました。

湖に張った氷

実はこのフェリーもシロフクロウの観察ポイントのひとつです。運が良ければ氷の上で羽を休めている水鳥を狙うシロフクロウの狩も見られるのだとか。

しかし、2020年は記録的な暖冬で写真のように氷も薄く、氷上には鳥の影は一切ありませんでした(涙)

アマースト島の人口はわずか450人ほどで、島内には小さなジェネラルストアが1軒あるだけ。あとは風力発電の風車と点在する民家に牧草地が広がっていました。

雪原と湖

湖岸の道路からはカナダ本土が見えます

ちなみに、島内の道路は舗装されていません。我が家が訪れた時は気温が高く、道路がぬかるんでいる箇所もありました。寒い日は凍結の心配もあるので、車は4WDがオススメです。

もともとツンドラ地帯に住むシロフクロウは見晴らしの良い牧草地を好むので、ゆっくり車を走らせながらシロフクロウを探します。相手は野生なので、ここに行けば見られるというポイントはありません。

牧草地をくまなく探しますが、現れるのは鹿ばかり…。

野生の鹿

この鹿を撮影した直後、上空に飛んでいるシロフクロウを発見!しかし遠くへ飛んでいってしまったので写真はなし。残念ながらこの日は空振りでした。

アマースト島へのアクセス

フェリーは本土側の町ミルヘイブンMillhavenとの間を30分で結び、往復で車1台カナダドル。 通年運航で1時間に1往復しています。フェリーの時刻は公式サイトからどうぞ。

冬は15分前に乗り場に並んでいれば大丈夫でしょう。車を載せる時は係員が誘導してくれます。

Amherst Island - Discover this Gem of Lake Ontario

島内を回るには車が必須です。4WDがベター。公衆トイレはフェリーにしかないので要注意。

ウォルフ島

アマースト島を訪れた次の日、リベンジでウォルフ島へ出かけました。ウォルフ島へはカナダの古都キングストンからフェリーで渡ります。

フェリーは嬉しいことに無料!キングストンの歴史ある街並みを眺めながら20分ほどでウォルフ島に到着します。

フェリー

水上からの街並み

ウォルフ島もフェリー乗り場から延びる2本の幹線道路以外は未舗装道路です。

ゆっくりと車を走らせながらシロフクロウを探します。島西側に広がる牧草地によく現れるそうで、何台か我が家と同じようにフクロウを探していそうな車がいます。

車を走らせること約20分、前を走る車が路肩に停車しました。こういう時は何かがいる証拠。

我が家も車を停めて探してみると、いました!!

シロフクロウ

シロフクロウは大きさ50〜70cmとフクロウの中では最大級。車との距離は40mくらいでしたが、肉眼でもよく見えるくらいの大きさです。 

このシロフクロウは黒い縞模様があるのでメスか若い個体です。成鳥のオスは、ハリーポッターのヘドウィグのように真っ白な体です。

シロフクロウ

違う角度からも。それにしても、首がよく回る!ほぼ真後ろに顔を向けています。

後ろを見るシロフクロウ

この個体は時々首を左右に向けるくらいで、観察中はずっと地面から動かずじっとしていました。シロフクロウが活発に動くのは日の入前の数時間とのことです。

短時間でシロフクロウが見られて、大満足のウォルフ島訪問になりました。

ウォルフ島へのアクセス

ウォルフ島へのフェリーは、キングストンダウンタウンから出ています。1時間に1本の運航で無料。夏は混雑するようですが、冬は15分前に乗り場にいればまず問題なく乗れそうです。

フェリーに搭載された自動車

スケジュールや乗り場はこちらのリンクからどうぞ。

Wolfe Island | Ferry Schedule - Frontenac Economic Development

島のフェリー乗り場近くにあるインフォメーションセンター(冬季閉館)には通年使えるお手洗いあり。暖房が効いていて、オムツ替え台も完備です。

インフォメーションセンター外観

ウォルフ島にはジェネラルストアの他に小さなレストランもあります。冬も営業しているのはWolfe Island Pub & Pizzariaの1軒のみ。

The Wolfe Island Pub and Pizzeria

シロフクロウ観察のヒント

ベストシーズンは1〜2月

シロフクロウは早ければ11月ごろから飛来していますが、観察のベストシーズンは真冬の1〜2月。

カナダの冬は寒さが厳しいので、できる限りの防寒対策をしましょう。特にフェリーでのシロフクロウ探しは風を受けて体感温度はかなり低いです。分厚いダウンや手袋などでなるべく素肌を出さないように。

車は必須!なるべく4WDを用意する

島には公共交通機関はありません。個人で出かける場合は車が必須です。島の道路はほとんどが未舗装なので、4WDがベストです。

寒い日は路面が凍結していますし、暖かい日はぬかるんでいる箇所があるので運転は気をつけましょう。

最近見られたポイントを確認しておく

相手は野生なので、どこに現れるかわかりません。ただ、eBirdというサイトでは世界中のバードウォッチャーが観察ポイントを投稿しているので、ある程度予測はできます。

リンク先のマップを拡大すると、いつどこにシロフクロウが現れたかが確認できます。赤いアイコンで表示された場所は最近30日以内に観察された所なので、可能性が高いといえます。

https://ebird.org/map/snoowl1

飲み物や食べ物は持参する

シロフクロウ観察は半日もあれば十分だと思います。アマースト島、ウォルフ島ともバードウォッチングスポットとして有名なので、シロフクロウ以外も見たいとなると半日では足りないかも。

島では選択肢がとても限られるので、飲み物やランチ、おやつは持参するといいでしょう。本土側に戻るとなると、時間のロスが大きすぎます。

シロフクロウが活発になるのは夕方

昼行性のシロフクロウですが、活発に動くのは日の入前の1〜2時間です。午後のフェリーで島に渡り、半日かけて探鳥して日の入後のフェリーで本土側に戻るプランだと時間を有効に活用できます。

ただ、我が家がシロフクロウを見たのはいずれも午前中なので夕方しか見られないわけでもありません。