ニューヨーク州といえば、きらびやかな大都会マンハッタンをまず思い浮かべますが、マンハッタンを少し離れるだけで農場や森林など自然が広がっています。
州北西部のフィンガーレイクス地域には、世にも珍しい白い鹿が見られる森があると聞き、出かけてきました。
2019年12月14日、追記しました!
2019年12月14日追記:
こちらのWhite Deerツアー、2019年12月29日をもって終了するとのことです。
以下の記事は記録として残しておきます。
ワインの産地、ニューヨーク州フィンガーレイクス
フィンガーレイクスは、ニューヨーク州北西部にあり、ニューヨークシティからは車で約5時間、ナイアガラの滝からは約2時間の距離に位置します。
南北に細長い湖が手の指のように並んでいることから、フィンガーレイクスという地名がつきました。
この辺りはニューヨーク州でも有数の農業地帯で、特にブドウの栽培とワイン生産が盛んです。湖周辺にはワイナリーが点在していて、ワイナリー巡りも楽しそうです。
夏には湖岸でキャンプをしたり、ボートで遊ぶ観光客でにぎわいます。
Finger Lakes NY Tourism | Finger Lakes Visitors Connection
白い鹿、セネカホワイトディアSeneca White Deer
そんなフィンガーレイクスの湖のひとつ、セネカ湖の近くには、珍しい白い鹿、セネカホワイトディアSeneca White Deerがいます。
この鹿は、カナダから南米にかけて広く生息するオジロジカ。普通のオジロジカは、写真のように茶色い毛色ですが、Seneca White Deerの体色は真っ白です。
メラニン色素を持たないアルビノではなく、白色の劣性遺伝子の組み合わせを持つ鹿だそう。
もともとこの地域に住んでいた白色の鹿ですが、1940年代に少数の鹿が当時の米軍基地内に隔離され、保護されたことから数を増やし、現在では世界最大級の生息数となっています。
この米軍基地、現在は廃止され鹿の民間保護区となっています。
Seneca White Deerウォッチングツアー
保護区は、セネカ湖沿いの小さな町ロムルスにあります。幹線道路沿いに大きな看板があるので、迷うことはないでしょう。
ツアーの所要時間は1時間半〜2時間。金〜日曜日の10時〜14時まで2時間おきに出発しています。
料金は大人30ドル、子供(5歳以上)は半額でした。
空きがあれば当日予約なしでも参加できますが、事前予約が無難でしょう。公式サイトで簡単に予約できました。
公式サイトはこちら→https://www.senecawhitedeer.org
注意!このツアーは2019年12月29日をもって終了です。
ウォッチングツアー子連れ体験記
動物好きには見逃せないこのツアー、子連れで参加してみました。
ウェルカムセンターから出発
まずはウェルカムセンターで受付です。ツアー中トイレ休憩はありませんので、ここでしっかり済ませておきましょう。
館内には、保護区の動物の展示や子供向けの塗り絵などが置かれ、ツアーの待ち時間も退屈しません。
マイクロバスで保護区内へ
14人乗りのマイクロバスに乗り、フェンスで囲まれた保護区の敷地に入ります。
まず訪れたのは、鹿がよく水を飲みに来るという水場。ぬかるんだ地面には、鹿の足跡が残されていましたが…姿は見られず。
バスに戻り、さらに敷地の奥へ進みます。と、バスの前を鹿が横切りました!白い鹿です。一瞬の出来事でしたが、期待が持てます。
米軍施設跡も見学
ツアーでは、米軍基地として使われていた頃の倉庫も見学できます。写真の女性はガイドさんです。
中は意外と広く、照明などはないので、扉を閉めると真っ暗になります。
倉庫の外観はこんな感じ。すぐそばには茶色の鹿がいました。(写真右側です)
アップで写すとこんな感じ。尾というか、お尻が白いのでオジロジカと呼ばれています。
ついに白い鹿、発見!
そろそろ白い鹿が見たいなーと思っていた頃、ガイドさんが発見!道路脇の森にいました。
改めて見ると、本当に真っ白!神々しさまで感じる、美しい鹿です。
アメリカでは鹿は狩猟対象ですが、人間て勝手なもので、これは保護したくなるのも頷けます。
保護区内で見た鳥
保護区で見たのは、鹿だけではありません。軍の基地だったおかげで民間開発から逃れた森には、鳥も数多く生息しています。
ツアーで見られた代表的なものを紹介します。
アメリカの国鳥、ハクトウワシと巣です。特徴である白い頭は隠れてしまっています。
ちなみに、ハクトウワシはアラスカ州でよく見られます。アラスカ州ヘインズでハクトウワシを見た時の記事はこちら↓
doubutsu-koduretabi.hatenablog.com
こちらは何回か見かけた七面鳥。サンクスギビングやクリスマスにアメリカの家庭でよく食べられているやつですが、ここにいるのはもちろん野生です。
10羽くらいの集団で移動していました。
1時間半ほどのコンパクトなツアーは、動物を見るチャンスが多く、大満足のツアーでした。
当時8歳と5歳の上の子たちは、バスに乗る間それぞれ動物を探して楽しそうでした。1歳だった末っ子も、1時間半なら飽きずに済みました。
冬は寒さが厳しい地域ですが、 木の葉が落ちて見通しが良くなり、動物ウォッチングには適した季節だそう。
とても珍しい白い鹿、ぜひ見に行って下さいね。